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4. 板部材の有効幅について
?@板付随撓材又は桁の板の有効幅の取り方については、
(a)板厚をべースにしたもの(例、40t,80t等)
(b)防撓材又は桁のスパンをべースにしたもの(例、片側0.1l等)
(c)単に防撓材又は桁の防饒間隔をべースにしたもの等が現在用いられている。
?Aこれらは、すべてそれぞれに規定の根拠及び十分な実績があり、いずれが合理的又は不合理であるのかを特定するのは困難であるが、それぞれに次に示す問題点を有している。
(a)前?@.(a)について;桁部材等スパンが長いものに対する有効幅が過小評価される傾向がある。設計としては安全サイドであるが、最適設計とは言い難い。
(b)前?@.(b)について;相持ち構造への適用あるいは不均一又は集中荷重下での精度が指摘されている。ただし、このことは前?@.(a)及び(b)についても言えることである。
(c)前?@.(c)について;比較的短いスパンの防撓材又は桁については、過大評価となる。
?Bまた、それぞれの規定による要求値の比較・検討について、本委員会における検討結果では、バラツキの範囲は、防撓材でおよそ0〜0.95程度、防撓桁でおよそ1〜0.88程度(前?@.(a)による要求値を除くとおよそ1〜0.95程度)と報告されている。
?C以上より、現状では、それぞれの方法による設計に決定的な差は見られないものの、今後、船体重量のさらなる軽量化(最適設計化)を図る上で前?@.(a)の規定では対応が困難であるように思われる、
?D前?@.(b)については、前?A.(b)の問題があるが、中・大型船の鋼船設計における相持ち構造あるいは不均一又は集中荷重下の設計にも特別な場合を除き前?@.(b)が準用されるのが普通であり、運用に当たっては特に大きな問題はないと思われる。
?Eまた、前?@.(c)による要求値は、通常、前?@.(b)による要求値にほぼ等しいが、前?A.(c)の問題点があるため、前?@.(b)と組み合わせて規定すべきと考えられる。
?F結論として、本委員会では、板付防撓材又は桁の板の有効幅を次のように取り扱うこととした。
“部材の規定の断面係数は、特に定める場合のほか、部材の両側それぞれ0.1lの幅に含まれる板材を含む値である。ただし、0.1lの幅は隣接する部材迄の距離の半分を超えてはならない、ここでlは当該部材の長さとする。”
[補足資料]
I.有効幅に関する日本海事協会鋼船規則C編規則解説抜粋:
有効幅については、従来から多くの理論があるが、ここでは、Schadeの理論を用いた。
同理論によれば、並列防撓材を有する平板が両端固定で等分布荷重を受ける場合の有効幅は、図4.1に示すとおりである。ここでスパンとは、曲げモーメント曲線が0となる点の距離

 

 

 

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